車いすバスケで初ゴール!──仮面女子・猪狩ともかが見つけたパラスポーツのおもしろさ

2018/11/06

「パラスポーツに挑戦したい」とコトナルで宣言してくれた、アイドルグループ仮面女子の猪狩ともかさん。やってきたのは、複数のパラスポーツを体験できるイベント「i enjoy! パラスポーツパーク(日本財団パラリンピックサポートセンター主催)」が開催される東京ビッグサイト。前回はボッチャとパラ・パワーリフティングの体験をレポートした。今回は、一番楽しみにしていたという車いすバスケットボールとスピードを競うレーサー(陸上競技)にいざ、チャレンジ!

座ったままでドリブル&シュート! 車いすバスケットボールを体験

マンガやドラマにも取り上げられたり、最近目にする機会も多い車いすバスケットボール。猪狩さんは、競技用の車いすは初体験ということもあって、車いすバスケットボール用の車いすの動かし方から体験。教えてくれたのは、シドニーパラリンピックで車いすバスケットボール日本代表のキャプテンも務めた、根木慎志さん。ほめ上手の根木さんは笑いを交えながら、楽しく指導してくれた。車いすバスケットボール用の車いすに乗り変え、いざ実践スタート!

根木さん:今日はよろしく〜。なんや、僕より座っているときのバランスがええな! 車いすバスケットボールに向いているかもしれませんね!

猪狩さん:そうなんですか!? 背もたれが普通の車いすよりも低くて、後ろに倒れそうで少し怖いです〜。なんだか前にも倒れそう〜。

根木さん:車いすバスケットボールの車いすは、転倒防止装置がついているから、前に倒れこむことないから安心して。普段はできない、体が前のめりになるような感触を楽しんでな。じゃあ、まずは、ドリブルしてみようか。

猪狩さん:タイヤにボールが当たりそうで難しい。できるかな......で、できた!

根木さん:お、できるな。なんかちょっと悔しいな! はじめてやる人は、だいたいボールをタイヤに当てて転がしちゃうんですよ。じゃ、次は、動きながらやってみよか。車いすバスケットボールは、走りながらドリブルできないから、一度手に持ってシュッシュとタイヤをこいで移動するんです。

猪狩さん:こんな感じですか?

根木さん:そうそう、やるなあ! 3回以上タイヤを回すとトラベリングっていう反則になってしまうから、一度に回すのは2回以内にして。

猪狩さん:ひゃ〜! 移動とドリブルを一緒にするのって、難しい!

根木さん:いやいや、意外とやるなあ。じゃあ、次はシュートにチャレンジしてみよか。手で背中を支えてるから、もうちょっと後ろに体を倒して...。

猪狩さん:怖い怖い怖い!!!

根木さん:支えてるから、大丈夫。じゃあ、そのままシュート!

猪狩さん:えいっ...おしい!

根木さん:おしい! いけるなあ。じゃあ、もう一回。

猪狩さん:ん~...えいっ!

猪狩さん:入った!

根木さん:すごいな! こんなすぐに入れられると、悔しいなあ。本来なら、猪狩さんが失敗した後に、僕のかっこいいところを見せつける予定だったのに(笑)

猪狩さん:わーい、うれしい!!

根木さん:いやあ、予想以上にのみ込みが早いね。もし僕が車いすバスケットボールの日本代表監督だったら、選手に選んでるよ〜なんてね(笑)!

この日一番のハイテンションで車いすバスケットボールを体験した猪狩さん。スムーズに課題をこなし、終始満面の笑顔でレッスンを終えた。徐々に車いすの操作にも慣れ、終盤はまるでダンスしているかのように乗りこなしていた。

車いすバスケットボールをやってみた感想は?

車いすバスケットボールは、ずっとやってみたかった競技でした。今日は、そんな憧れの競技を体験できて本当に楽しかったです! 正直、はじめる前はシュートもドリブルも、ぜんぜんできないと思っていました。やってみたら「意外とできるじゃん!」って、ドヤ顔になってたかも(笑)!? なにより根木さんがほめ上手で楽しく教えてくれて「バスケチームに入ったらどうや!?」とまで言ってもらえたので、最初から最後まで気持ちよく体験させていただきました。ほめて伸びるタイプの私にとってはうれしかったです!

時速35キロ以上! スピードを競う陸上競技レーサーにチャレンジ

一般的な車いすとも、車いすバスケで使うのとも違う、陸上競技用の車いす(レーサー)は3つの車輪がついた独特のデザイン。車いすマラソンで使われるのが、このタイプだ。東京マラソンなどでも、猛スピードで道路を駆け抜ける超高速車いすは迫力満点! 今回は、そのレーサーをこいで、10秒間で最高時速何キロまで出せるかにチャレンジした。東京アスリート認定選手の西勇輝選手の指導のもと、体験スタート。

西選手:じゃあ、まずはレーサーに乗り移ってみましょう! ...できそうですか?

猪狩さん:うーん、まだ車いす歴は赤ちゃんなんです...。

西選手:じゃあ、抱えて入れてもらいましょう。靴は脱いで、すき間に足を入れて...大丈夫そうですか?

猪狩さん:はい!

西選手:座ったらグローブをつけてください。手は握りすぎないほうがいいですよ。タイヤを握ると痛くなってしまうので。できそうなら、体重を前の方に載せて。うん、いい感じですよ。

猪狩さん:うーん...うん! しっかり座れているから、体を前に倒しても大丈夫そうな感じです!

西選手:じゃあ、早速計測をはじめますよ...3、2、1、スタート! こいで、こいで、こいで!!

猪狩さん:きゃーーー! 思ったようにこげない......!!!

西選手:はい! 10秒たったので、ここまでー。

猪狩さん:記録はどうでした? やった、時速10kmは超えましたね!

西選手:おつかれさまです。どうでしたか?

猪狩さん:疲れました〜。想像以上にツラかったです(笑)! これって最高はどれくらいスピードが出るんですか?

西選手:トップレベルのアスリートがこいだ場合、平地なら、時速35km以上と言われています。

猪狩さん:速い! 原付バイクくらいの速さですよね。自分で体験してみると、選手の皆さんのすごさがよくわかります。

車いすをこぐことには慣れてきているとは言え、思い切りスピードを出してこぐ経験はなかった猪狩さん。新鮮な体験になった様子。

レーサーを体験してみた感想は?

今回の体験への参加者の方の記録を見てみると、一般の女性でも結構速くて時速12kmとか出してるんですよ。すごいですよね。私も普段車いすに乗っているから、多少はイケるかな!? と思ったけど......トップには及びませんでした!

アクティブな車いす女子を目指し、今後もパラスポーツに挑戦!

限られた時間、場所でのイベントだったため、かなり駆け足での体験。その中でも猪狩さんに響いたのはどんな種目だったのだろうか? 感想を聞いてみた。

猪狩さん:ボッチャや車いすバスケットボールなど、教えてくださる方がほめ上手だったので、なんだかうれしかったです。ここで調子に乗っちゃうと、あとでへこむので、冷静に受け止めようと思いました(笑)。今回体験してみて特に楽しかったのは、車いすバスケットボールですね! もう少しやってみたいな。選手を目指す......というより、趣味としてやりたいです。

中学時代にソフトテニスを経験したり、12年間水泳をやっていたり、スポーツに慣れ親しんできた猪狩さん。今後は、車いすテニスや水泳、車いすフェンシングなどにも興味があるという。

猪狩さん:私は、はまるとついつい夢中になるタイプなんです。筋肉むきむきにならない程度にアイドルらしく鍛えていきたいと思います!

スポーツもできるアクティブな車いす女子を目指して、猪狩さんの挑戦はまだはじまったばかり。次回はどこで、どんなスポーツに出会えるのか!? 次のチャレンジをお楽しみに。

猪狩さんが体験できなかったウィルチェアーラグビーのブースでは、車いす同士がぶつかる衝撃をコトナル編集部員が体験。正面から迫ってくる選手の姿は、超迫力!

PROFILE

猪狩ともか(いがり・ともか)

1991年12月9日生まれ。最強の地下アイドル・仮面女子のメンバー。埼玉県出身で埼玉西武ライオンズの大ファン。2018年に不慮の事故により車いす生活を余儀なくされるも、必死のリハビリと持ち前の明るさで、事故からわずか4カ月でアイドルへの復帰を果たす。現在アイドル活動の傍ら、さまざまなパラスポーツに挑戦中。
https://ameblo.jp/igari-tomoka/

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