学校で性の多様性を学ぶ――イギリスでLGBTQ+に関する教育が必須科目に

2020/12/18

若いときから性の多様性について学ぶことで、性的指向や性自認を理由とする偏見や差別をなくしていくことにつながるのではないか。

しかし実際のところ、イギリスのLGBT人権団体「ストーンウォール」が2017年に公開した「School Report」によると、LGBTの生徒の40%は、学校でLGBTについてまったく教わったことがないという。

同レポートによると、LGBTの若者の96%は「インターネットが、自分の性的指向や性自認について理解を深めるのに役立った」と答えている。多くの若者が、インターネットでお手本にしたいロールモデルを見つけたり、必要な情報やサポートを得たりしているようだ。

学校でもっと、この分野の教育に力を入れてもいいのではないだろうか。イギリスの学校では2020年9月から、LGBTQ+に関する内容を含めたカリキュラムを提供することが必須になっている。

このインクルーシブな性教育は、イギリス教育省が新しく策定したガイドライン「Relationships Education, Relationships and Sex Education (RSE) and Health Education (人間関係の教育、人間関係と性の教育および健康教育)」に含まれる内容だ。今後イギリスの高校では性的指向、性自認、健全な関係といったテーマについて、小学校ではLGBTQ+の家族を含む多様な家族のかたちについて学べるようになる。

ストーンウォールのシドニー・バートランド・シェルトン氏はこの方針を歓迎し、CBN NEWSの取材に対して次のように述べている。

「LGBTQ+を含む教育とはつまり、2人の母親や2人の父親を持つ子どもがいると教えること。若いときから多様な家族のかたちについて学ぶことで、誰もが帰属意識を持てるインクルーシブな環境をつくることができる。」

この新たな方針は、すべての保護者に歓迎されたわけではない。バーミンガムでは昨年11月、一部の保護者が宗教上の理由から、子どもが授業でLGBTQ+の平等性について学ぶことに抗議した。しかし英国議会では538対21の圧倒的多数で、この新しいカリキュラムが支持された。ガイドラインには「すべての生徒が、適時にLGBTQ+について習うよう求める」と書かれている。

性の多様性について学べる包括的なカリキュラムはデンマーク、スウェーデン、オランダでも提供されている。すべての若者が幸せに、健康に、安全に過ごせるよう、さらにサポートを充実させていってほしい。

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